【内容】
ぼくのお父さんを紹介します。次はおじいちゃん。そして、おじいちゃんのお父さん、つまりひいおじいちゃん。そのまたお父さん、つまりひいひいおじいちゃん。更にさかのぼって…どんどんさかのぼって、江戸時代?縄文時代?類人猿…
ひいひいひいひいひいひい…とひいを重ねる度に、過去にさかのぼっていく、「ぼく」の家系と、人類の歴史をいっぺんに紹介する絵本。
じゃあ、ぼくは誰のおじいちゃんになるのかな?
【感想】
人類の歴史をいっぱつで理解できる素晴らしい歴史☆絵本(と、勝手に推薦)。
よく考えたら、ごく当たり前の事実なのだが、「ぼく」を通して、ご先祖様たちの暮らしぶりや、人類のルーツなどについて、思いを巡らしてみたら、今、ここに「ぼく」や「わたし」が存在することのものすごさを感じる。命はどんどんつながっていく。
これだけ親類をさかのぼっていくと、もう地球全部が親戚のようにつながっているのではないかと思えた。そしたら、どういう格好をしていても、文化や暮らしぶりが違っても、人類皆兄弟で、仲良くしないといけないなあ…
壮大なテーマを、実にわかりやすく表現しているところがステキだ。こういう面白い大人がいっぱいいたら、きっと平和で暮らしやすくて、毎日そこそこしんどくても穏やかにギャグも満載で充実していきそうな気がする。
絵を見ていると、おおらかに描かれているようでいて、細かい部分も気が利いていて、読者の目線の行く場所や期待していることを敏感に感じ取って、面白がってもらおうとするサービス精神が感じられる。実に痒いところに手が届く快感。
ちょっとした小道具や背景などで、時代や雰囲気、人物たちの性格まで全部想像させてしまう。想像力が入り込む余地がつねにあるので、絵本の世界で遊んでいる感じがすごくして、読み終わると、楽しいお友達としっかり遊んだ充実感。
しかし、全部読み切るのは、体力と根性がいるぞ!がんばれ!読み聞かせの人。