最初のページで、お母さんに手を引かれたかなえの不安そうな顔といったら・・・。でもお母さん、引越しのあとかたづけで、かなえの気持ちに気がついてあげることができません。大人はそうなんだけれどね。私もそうなんだけれど。
でもそんなかなえに小さな小さなプレゼントが。「とんことり」とポストに入ってくる小さなプレゼント。この音の表現が絶妙なのです。なんだかさびしげで、誰かを待っているようで・・・。「早く見つけて」と言っているような・・・まるでかなえの気持ちのようですね。
でも最後に二人の笑顔を見たら、心配なんて全部ふっとんでしまいました。かなえにとっても、お友達の女の子にとっても、忘れられない思い出になることでしょう。たんぽぽとすみれの咲く野山で、二人が遊んでいるページ。いいなぁ。文章がないだけに想像力をかきたてられて、一番好きなページです。