民話の魅力溢れる作品です。
典拠は?と奥付を読み驚きました。
尋常高等小学校の当時高等2年生(11or12歳)の男子生徒の話から起こされた作品だということです。
この少年も、祖父母からでも聞き伝えられたのでしょうか?それとも創作?
いずれにしても長い時を経て、平成のこの時代に楽しめる幸せを感じます。
孝行息子たちが、病に倒れた母親のために山梨をもぎに・・・。
一番上の息子は、逸る気持ちからか森の精霊と思われるばあ様に親切もしなければ、注意も聞かず・・・。
二番目の息子も・・・。
このあたりで、聞き手は三番目の息子に期待を掛けて聞くことでしょう。
木の切り株に座ったばあ様が繰り返す台詞や、三叉路に生えた笹の葉の風になる音(声)、あっさり沼の主にひと呑みにされる場面や三番目の息子の大立回りなど民話ならではの味わい深い作品です。
最終ページの絵に、よかったよかった〜と声を出してしまいました。
日本独特の空気感がある、素敵なスペクタクルファンタジー作品です。
お話会にお薦めします。