ゲド戦記の二巻目です。
この本では、ゲドよりも大巫女のアルハの人生が描かれています。
幼くして大巫女の生まれかわりとして神殿での暮らしをしてきたアルハ。
そこに現れた魔法使いゲドによって、アルハは自分を見つめることになります。
神殿での生活は、今の時代では想像のできない独特なもので、それの独自の雰囲気が伝わってきて不思議な世界に入っていきました。
つつましく、厳格な生活の中に、地下の迷宮のようなその闇の世界に恐れを感じ、決して退屈しません。
思春期の子どもたちは、親から自立する準備段階に入ってきます。
自由を求めるようになります。
アルハが自由を求める気持ちと、自立への不安な気持ちとで激しく葛藤します。
子どもたちに「道しるべ」になる本だと思います。