『旅するベッド』では、ジョージーの小さな古いベッドは、どこへでも旅ができるのです。
そして、『ガンビーさんのふなあそび』や『ガンピーさんのドライブ』で、ガンピーさんは、どんなお願いも怒らずに聞いてくれるのです。
ジョン・バーニンガムの作品は、いつも子供にやさしく、けして子供を裏切らないと、どこかの本に書いてありましたが、ほんとに、そんな静かな暖かさの残る絵本が多いです。
『くものこどもたち』は、空や雲の写真の中に、子供たちの絵が溶け込んだ、とても美しい絵本です。
お父さん、お母さんと山登りの下山途中、つまづいて、がけから落ちてしまったアルバート。
お父さん、お母さんは、愛するアルバートを必死に探すけれど、見つからず、嘆き悲しみました。
でも、アルバートは、運良く、雲の中に住んでいる子供たちのおまじないによって、助けられるんですね。そして、雲の上で暮らすんですね。
雲に登って、飛んだりはねたり、雷嵐になると、大きな音を出し、虹がかかると、その絵を描き、風の強い日は、雲のりレースをしました。
アルバートは、そんな暮らしをとても楽しんでいたのだけれど、雲のベッドから見下ろした街に灯りが見えて、お父さん、お母さんや、自分のちっちゃなベッドが恋しくなるのです。
「うちに帰りたい。」
その大きな声が、女王様の耳に届き、女王様は、アルバートを家に送り返します。
7歳になったばかりの娘は、これを読んでひと言。「見たことなかったけど、やっぱり雲の上って歩けるんだ。」
雲の上の世界、雲の上の子供たち、こんなふうな世界があったら素敵だな。