子どもの世界ってすてきだなあ、と心の底から思えるお話です。
シュタイナー教育などで、「7歳までは夢の中」というようなことを、よく耳にしますが、本当にそんな世界の中で生きているんだなぁ、ということが、難しい教育書からではなく、生き生きとした子どもの日常の描写から伝わってきます。
てつたくんとみつやくんの兄弟。娘は、てつたくんよりもさらに年上なので、みつやくんの赤ちゃん言葉に笑ったりしながら、“隊長”気分で読んでいます。
てつたくんたちが森で出会った動物「へなそうる」は、とても大きいけれど、のほーんとした感じがかわいらしく、娘も、まるでずっと前からの友達に会ったかのように、自然な呼び方で、「へなそうる!」と言っていたのが可笑しかったです。
へなそうるが、自分のことを、「ぼか」(ぼくは)と言うのも、おもしろがっていました。食いしん坊で、よだれをぽたぽたと流すところは、うちの大型犬を見ているようで、親しみがわきました!
娘が1番好きな章は、「かくれんぼ」。
へなそうるのおとぼけぶりが、ほんとにほのぼのしていて微笑ましいんです。おにになったへなそうるが、「1、2」までしか数えられず、しびれを切らしたてつたくんたちが、思わず「もう、いいよ!」と言うと、まだうまく数えられずに「まあだだよ」と答えるへなそうるに、大笑い。
それから、娘も、へなそうると同じように、4さいころまで「かがが とんできて、かににさされた!」という言い方をしていたので、へなそうるの子どもらしさに、親の私もくすくすっ!
蚊におなかを刺され、バンデージを貼ってもらったへなそうるの嬉しそうな顔といったら、これまた最高です。
へなそうるが想像するカニの姿も見ものですよ! 娘は、カニとり名人なので、「かにとり」のお話も大いに楽しんでいました。