4歳の息子が図書館で「このごほん、よんで!」と言うのでお借りしました。この表紙の可愛さにひかれたのかなあ。いい趣味してるじゃない息子クン!
ティリーさんのおうちで飼われている猫のオリバー。家から出たことがなく、他の動物のことを知らなかった彼ですが、ある日ティリーさんがうさぎの赤ちゃんマシュマロを連れてきます。最初は驚いて怖がり、次には飛びかかろうとするオリバーですが、純真な赤ちゃんうさぎのマシュマロはそんなことは知らず・・・一体この2匹どうなるの?
優しいタッチの絵、穏やかな語り口、でも登場人(?)物が猫とウサギだけに、読みながら「どうなるの?」とハラハラドキドキしてしまいます。前半にオリバーがマシュマロに飛びかかろうとするシーンを入れることで、適度な緊張感や「次はどうなるの?」と読み手を引っ張る力が生まれているのですね。上手いなあ。基本的には淡々と落ち着いた調子で、でも派手にならない程度の緩急の付け方やわずかな沈黙の挟み方など工夫して読んでみたところ、子どもたち(4歳息子&7歳娘)もじーっと集中して聞き入っていました。
そして素敵なのはこの絵!色数も少なく、水墨画に通じるようなざっくりとした筆致なのですが、猫は猫らしくしなやかに、赤ちゃんうさぎは赤ちゃんうさぎらしくふんわりと。その動きや仕草まで伝わってくる描写の素晴らしさ!
私が個人的に気に入ったのはティリーさんの詩です。短くてシンプルで親しみやすい詩なのですが、生きものと暮らす驚き、発見、喜びに満ちあふれています。2匹と1人が暮らす「たのしいおうち」の幸せが伝わってきます。