図書館で見かけて、絵の美しさに惹かれて借りました。
初めて見る絵本を「これ読もう」と言って私が開くと、嫌がって、いつも読んでいるお気に入りの絵本を持ってきて「こっち読む!」という息子。そういういつもの最初の反応が分かっていたので、さりげなく私一人で眺めてから、他の本と一緒に置いておきました。
すると、後から一人でそうっと開いていました。そして、絵の中のコトリとサカナをそうっと触っていました。
漢字も使ってあって、2歳の息子にはまだ早いかもしれません。しかし、話の内容は複雑ではなく、お互い友達のいなかったコトリとサカナが出会って友達になり、互いの世界を見たくなった両者が、魔法の力を借りて友達を訪ねるのだけど、行き違いになるというもの。肝心の友達のいないその世界は、聞いていたほど楽しい場所ではなかったけれど、最後は無事に再会し、二人で一緒に旅にでることにします。きっとこれからは二人一緒で楽しめるのだな、と想像して終わります。
派手さはないけれど、すうっと引き寄せられるような静かな絵です。絵本にはめずらしく金色が使ってあるのですが、嫌みな感じはなく、屏風絵のような印象もあります。それを目一杯活かす大型の作りも良いと思います。
息子は話はあまり聞いていませんでしたが、とにかく絵をじっと見つめていました。
「友達っていいね」というような教訓というかメッセージを与える絵本は、あまり私の趣味ではないのですが、この本の場合は、子供に媚びない本物の絵が、かなりのプラスポイントとなりました。非日常の世界にいつの間にか引き込まれてしまいます。
大きさと金色の印刷のためか、少し高価ですが、購入しようと思っています。