小学校の教科書に載っている『がまくんとかえるくん』の作者、アーノルド・ローベル氏の作品です。奥様が絵を描いている作品もありますが、この作品は、絵も文もご自身で描いています。とても丁寧で細密な絵で、それだけを追ってみても楽しめる作品です。
ずっとむかし、いろというものは ありませんでした。そんな世の中を見て、魔法使いは、「世の中何か間違っとる」とつぶやきました。そして、あれやこれやしたら青い色ができました。近所の人たちも大喜び。たちまち町は青い町になりました。最初は良かったのですが、みんななんとなく寂しくなってしまいました。そこで、魔法使いは黄色い色を作りました。黄色い町は、人々の目を痛めてしまいました赤はどうでしょう?赤い町にいると人々は怒りっぽくなりました。魔法使いは悩みました。何日も何日も・・・。そして、いろいろな色が出来たのです。町は、申し分のない良い眺めになりました。
世の中が全部白と黒と灰色だったら・・・。ちょっと殺伐としていますよね。「他の色だったらどうだろう」と、絵本を読んでいると色だけでなく、空想の世界まで広がってきます。ずっと昔読んだ『さびしいドラゴン』という絵本も色のない世界から始まり、極彩色の美しい色で終わる絵本だったことをお出しました。子ども達は、「美しいモノ」が大好き。たくさんの色があふれている世界には、夢と希望が詰まっているように思えるのでしょう。
読み聞かせをするなら8分位