狂言の世界は、お話が本当に楽しい。
絵本の形で幼い頃から、目にすることのできる今の子供たちは恵まれていると思います。
さて、こちらのお話はいつも強いことを自慢にしている家来の太郎冠者に主人が、夕方に用を言いつけます。
口先だけの武勇伝語りの太郎冠者には、気の進まぬ御遣いですが、しぶしぶと出かけます。
案の定、腰が引けた臆病ぶりが描かれているページで、爆笑です。
主人から借りた刀まで、奪われます。
それにしても、主人の人の悪さにも苦笑いのこぼれるお話です。
うそはいけません。うそは。
自分を大きく見せようとする「人間の見栄」をシニカルな笑い話にした作品です。