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クリスマスの12にち」 夏の雨さんの声

クリスマスの12にち 作・絵:ブライアン・ワイルドスミス
訳:石坂 浩二
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,606
発行日:1997年10月
ISBN:9784062619745
評価スコア 4.6
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みんなの声 総数 4
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  •  雛飾りは3月3日の雛祭りが終われば、早くしまった方がいいといいます。
     遅くなると、娘の婚期が遅くなると。
     今でもそんなことをいうのかしらん。
     ヨーロッパではクリスマスツリーは12月25日から12日めにしまうのが古くからの習慣だとか。
     この絵本で初めて知りました。
     東方の三博士が生まれたばかりのキリストに贈り物を贈ったのが12日めだといわれているからだそうです。
     でも、12月25日から12日も経つと、お正月になっています。
     もしかして、お年玉だったのでは。
     それは冗談で、聖書には、乳香、没薬、黄金を贈り物として捧げたとあるそうです。

     この絵本は昔の子供たちがその12日のことを歌った歌が題材になっています。
     ブライアン・ワイルドスミスさんが詩と絵を書き、俳優の石坂浩二さんが翻訳をしています。
     ブライアン・ワイルドスミスさんは日本でも人気のある、英国の絵本作家です。
     静岡県伊東市に美術館もあるくらいです。
     彼は色彩の魔術師と呼ばれるくらいで、この絵本でもそれはよくわかります。

     赤、青、緑、黄、多彩な色がクリスマスが終わってからの12日を彩ってくれます。
     こういう絵本を読むと、物語がどうとかいうことでなく、純粋に絵を楽しむことができます。
     絵に興味のある子どもでしたら、自然とクレヨンを手にするような気がします。
     ブライアンの色使いを見ていると、色彩は自由なんだと思います。
     自由だけれど、やはりどこかにルールがある。
     規定と自由。
     そういうことすら、この絵本の絵は教えてくれます。

     それと、詩。
     最初には「いちわの うずらは なしの木に」とあります。
     それが二日目には、「にわの きじばと なかよしさん/いちわの うずらは なしの木に」と繰り返されます。
     三日目は「さんわの にわとり フランス国旗/にわの きじばと なかよしさん/いちわの うずらは なしの木に」と積み上がっていきます。
     それが、12日まで続きます。
     ですから、最後はとっても長い詩になっています。
     それがちっとも長く感じない。

     片づけることはさみしくもあります。
     でも、こうして片づけながら、実は次の年のクリスマスのことを楽しみにしている。
     そんな絵本なのです。

    投稿日:2014/12/23

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