お腹のすいたねずみは、空に浮かぶ月をチーズだと思い、どうにかして食べたいと思っていました。
高い屋根の上にのぼっても、木の上にのぼっても、まだまだ手の届かない場所でした。ある日、お月さんの家の場所に気づき、そこへ向かって走り続けるのですが…
ねずみが、お月さんをチーズだと思い、満月と三日月は別のものだと思い、一生懸命話しかける様子に、何とかその思いが届いてくれないかなあと思うことでした。
そんな一途な気持ちが、ねずみを、素敵な場所へと導いてくれたような気がします。
お月様がきれいに見えるこの時期に、子どもたちと一緒に読んでみたいと思いました。
全体を通して、落ち着いた色遣いの世界は、お話そのものをじっくりと味わう雰囲気にしてくれることでしょう。