表紙から「こんにちわあかぎつね」なのに緑のきつねです。ちょっと変わっているなぁと思って、図書館で借りてみました。あとがきを読んでみると「ゲーテの色彩論」の基礎を取り入れた絵本なんだそうです。難しい言葉でいうと「残像後の同時作用現象」を利用した絵本ということで、つまり色の反対色(緑ならば、赤。黄色ならば紫というように)を見ることができる絵本なのです。例えば「緑色のきつね」をじっと見つめた後に白い背景に視線を移すと、なんとそこに「赤いきつね」が見えるという不思議な現象が起こります。なんだか言葉にするととても難しいようですが、絵本にこのような色彩の原理を利用したしかけを用いるところなど、さすがエリック・カールだなぁとおもいました。小さい子供にこの原理を説明するのはとても困難だし、子供もこの原理を理解することは不可能でしょう。でも理解せずとも簡単な方法で、本当は存在しない「あかいきつね」を見ることができたらそれは、子供にとってすばらしい感動を生み出すものだと思います。娘が、もう少し大きくなったらこの魔法をかけてあげたいなぁと思います。