巨猫好きにはたまらない絵本です。猫のお腹を枕にして寝る、なかなかできるものではありません。うらやましい限りです。
猫とクラリネット吹きが出会ったことで、ふたりは夢を実現しながら暮らしていくようになります。猫はクラリネットを聴きながら、クラリネット吹きは楽器を吹きながら世界を巡ります。猫と出会わなかったら、クラリネット吹きはこんなに素敵なことを知らないまま、仕事の合間に趣味で細々と楽器を吹いて平凡に暮らしていたことでしょう。
ほのぼのとした雰囲気の絵本ですが、本当は何でも知っていそうな猫が、終始黙ってご機嫌な顔でクラリネット吹きに付き合っているのが、何だか謎めいて見えます。