星の王子さまといえば、子どもから大人まで、様々に読まれている名作です。
でも、含みの多い謎解きのような展開に、足を踏み込めずにいた作品でした。
しかし、高校時代の学友が訳しているとなれば特別の思いで読み始めました。
訳者浅岡夢二さんは、児童文学者ではなく、文学者でもなく、精神世界、スピリチュアル関連領域を研究された研究者でした。
その研究技術をしてサン=テグジュペリの名作の訳は、解析のような切り口で、伝わってきました。
あとがきも丁寧で、少し作者の世界に踏み込めたように思います。
ただ、私の知っている「星の王子さま」は、固定的な絵のイメージが染みついていて、葉祥明さんの絵が縮んで見えたことが残念でした。