蒸気機関車の本には珍しい、戦争時代をはさむ絵本でした。
戦争が始まる前、「はやあし」と「ちからあし」は夜の機関庫で今日見てきた景色のはなしをしました。仕事中に出会ったときにはお互い声を掛け合いました。
それなのに戦争で「はやあし」には爆弾が当たり、もう二度と機関庫に帰ってくることはありませんでした。
戦火を潜り抜けた「ちからあし」は、復興のためにいろいろなものを運びました。sの姿は、人々に力を与えてくれたに違いありません。
やがてまちが元気を取り戻すと、ディーゼル機関車や新型特急列車が走り始め、「ちからあし」は町をはしれなくなりました。
けれど、遠くまで運ばれて、なんと「はやあし」の客車を引いて走ることが出来るようになったのです。
蒸気機関車の大好きな息子はまだ3歳、戦争が何かもわかりません。
それでもこういった絵本を通して、少しずつでも、戦争の恐ろしさ、人が傷つけあう愚かさを学んでいくことと思います。