黒い表紙の下のほうにどろどろとしたものがこびりついている。おそるおそるページをめくると、平和な人々の暮らしが色彩豊かに描かれている。しかし、その平和にも、どろどろとしたものが迫っている。そして、どろどろしたものは、戦争に気づいていない母親と赤ん坊をつつみこんでしまう。そう戦争は自分が襲おうとするものが何なのか誰なのかを見ようとしないのだ。
原文を読んでいないのでわからないが、長田弘の訳が心に沁みる。しかし、少し難解な部分もある。でもそれは是非、子ども同士で、あるいは
子どもと親とで話し合いながら意味を考えて欲しい。
小学校高学年の子どもたちに読んでもらいたい、そしてこの本の意味しているところを語り合って欲しい。