いろんな人の思いが痛いほどに伝わってくる、すばらしい絵本でした。
手の指がないという障害をもつ“さっちゃん”。
障害に直面した時の衝撃・悲しさ・辛さ。
さっちゃんに障害の現実を伝えつつ、必死に励ますご両親。
戸惑いつつも、自分はどうすればいいのかを考えていく友達。
さっちゃんの悲しみを受け止めながら、声を掛け、導こうとする先生。
そこには大切な“さっちゃん”を思う、必死の「心」が見えます。
さっちゃんの「心」と周りの人の「心」が深く触れ合えたからこそ、さっちゃんは強く踏み出せたんじゃないかと思いました。
「心」は見えませんが、そう感じさせる絵本でした。
読み聞かせながら涙をこらえることができなかった私。
息子も言葉にはしませんが、とても感動したようで、後日もう一度自分でじっくりと読み返していました。
「障害」をテーマにした絵本は初めてでしたが、息子も「心」で真っ直ぐに受け止めてくれたように思います。
この絵本の制作に尽力された、先天性四肢障害児父母の会のみなさんの願いを思うと、また胸が詰まります。
より多くの方の手に、この絵本が届けばと願います。
5歳頃〜オススメします。