韓国も日本に劣らず野球の人気が高い国です。
大谷翔平選手が移籍したドジャースの開幕戦が韓国で行われるということで
話題にもなっています。
韓国の絵本作家ホ・ジョンユンさんの絵本『おとうさんをかして』でも
野球の楽しむ家族の姿が描かれています。
でも、野球をしてくれたおとうさんが死んでしまいます。
この絵本は、ここから始まります。
おとうさんが死んだあと、小さな弟は野球をしなくなります。
おねえちゃんに弟はこう言います。「おとうさんと野球したい」
おねえちゃんだって、淋しいのです。
おとうさんに会えないことが嘘であればと、思います。
おねえちゃんと野球をしよう、と誘っても、弟は嫌だとすねます。
おねえちゃんは、思いつめて考えます。
もしかして、もしかして。
だから、友達の家に行って、こう言うのです。
「おとうさんを かして」
おとうさんはもちろん借りることはできませんでしたが、
かわりにたくさん友達がやってきてくれます。
とってもシンプルなタッチですが、この切ない物語に、
チョ・ウォニの絵はとてもあっています。
野球が好きな、そして家族を大切にするお隣の国の
素敵な絵本です。