8歳の長男がパラパラとページを進めていました。おそらく文字を追ってはいないけれど、色彩に魅せられている様子。
しばらくして「あぁ。なぁんだ。」と納得したような声。
最後のページを開いたまま「これは、いろんな人の言葉なんだね。みんなの声が集まればこんなにキレイな模様になるんだ。」 言葉を追うだけでは出てこない解釈で、子どもの感性には、かなわないなと感じてしまいました。
それぞれ得意なこと、好きなことに夢中になって全身全力をかけて挑んだあと。役割を終え、良い時期を過ぎ、これまでの自分では居られないと分かったとき。
さて、自分はこれ以外に何をもっているのかしらと途方にくれてしまいそうです。
パッチワークはもともとの個性(色・柄)で、新たな模様を作り出す手仕事。人もまた、それまでとは違った役割でも、自分の感性のまま形を変えて、個性を深めることができるのだと、教えてくれる一冊でした。
とても不器用な生き方をしている息子の「個性を守ること」ばかり考えていた自分を振り返り、そうか、もっと自由でいいんだと気づかせてもらいました。