子どものための造形教室を主宰されているやべさんの絵本。子どもと関わりの深いお仕事をされているからでしょうか。子どもの目線をよくとらえた絵本です。
絵本って大人が作るものなので、どうしても大人の目線に偏りがち。でもこの絵本は、どうぶつえんのかばの何気ない仕草や癖を大好きなお父さんと照らし合せて、子どもの目線で描かれています。かばがあくびをしている様子やあかちゃんかばをお腹の上に乗せてぷかぷか水の上に浮かんでいる様子は、ちゃんとかばを子どもの目線まで下がって観察した上での描写なのでしょう。
かばを見ながら「おとうさんみたい」というみつこの一言や、「かえりのでんしゃのなか みんなのかおがかばにみえました」という一コマなどは、みつこの気持ちがとてもよく伝わってきます。
子どもたちって、こんなことを考えながらかばを観察しているのかと思うとなんだか、おかしくなっていましました。
動物園からかえってきたお父さんとみつこのかばごっこもとてもほほえましいやりとりです。無心になって子どもとかばごっこをしているおとうさん。ここでもお父さんが、子どもの立場・目線に立って、遊んでいますよね。きっと作者やべさんは、子どもと遊ぶのが大好きないいお父さんなのでしょうね。
是非、お父さんに読んでいただきたい絵本です。たまには、無心になってかばのように「ぶわぁ〜」と鼻の穴を膨らませて、子どもたちと遊んでみてはいかがでしょうか。