「トリケラトプス」「ティラノサウルス」に続くシリーズ第3作目は、空を舞台にしたプテラノドンの物語です。この絵本では、プテラノドンの一日をスピード感あふれる展開で描き、恐竜時代の壮大な世界をリアルに体験できます。俯瞰図の場面では、トリケラトプスやティラノサウルスをはじめ、さまざまな恐竜たちが登場。さらに、同時代の海生爬虫類モササウルスが大迫力で描かれ、そのスケール感に圧倒されます。
自由に空を飛ぶプテラノドンですが、実は地面から飛び立つのは苦手。風を探しながら地面を一生懸命歩き回る姿にはユーモアがあふれ、子どもたちが親近感を抱くポイントとなっています。このギャップが、リアルな恐竜描写と相まって「プテラノドンって本当にいたんだ!」と感じさせてくれるのです。
この絵本の魅力をさらに引き立てているのが、鈴木まもるさんの挿絵です。細部までこだわり抜かれた描写は、恐竜たちの姿や大自然の風景を生き生きと再現し、読者を恐竜時代に連れて行ってくれます。鈴木さんは絵本作家として多くの賞を受賞する傍ら、鳥の巣研究家としても知られ、自然界への深い洞察がその作品にも生かされています。恐竜たちの表情や動きには、まるで本当に動き出しそうな臨場感があります。
物語を手がけたのは、数々の児童文学賞を受賞している竹下文子さん。テンポの良いストーリー展開と、子どもが夢中になる仕掛けがたくさん詰まった物語は、「のりもの絵本」シリーズでおなじみの竹下さんらしい魅力にあふれています。
プテラノドンを通じて、恐竜時代の広がりとワクワク感をぜひ感じてみてください。恐竜好きの子どもたちだけでなく、親子で一緒に楽しむ一冊としてもおすすめです。この絵本をきっかけに、恐竜時代への冒険を始めてみませんか?