【あらすじ】
森に棲む子どものお化けは、ある日、年よりお化けが、そろそろ寿命で死んでしまうことを知ります。一人ぼっちになる事を悲しんだお化けは、友達を作ろうとしますが、森の動物たちは怖がってしまい、うまくいきません。
そんな中、森のはずれに住むおばあさんと仲良くなります。耳と目が不自由なおばあさんのために、お化けは薬を作りなおしてあげました。若返ったおばあさんは、お化けを見るや否や拒否します。ガッカリしたお化けに、ねずみが助け舟を出しますが…
【感想】
おばけは、「もともと、数の少ない動物」という事実にびっくり!
おばけが両親もいないのに生まれるしくみやお化けの寿命などを、私も年よりお化けから教えてもらって、勉強になってしまいました。
水木しげる氏のお化けの印象が強いので、どうしてもお化け=怖い、悪さをする、わけがわからない…と思っていたので、こんなに可愛くて、純真なお化けがいると感動しますね。
この話は、最後の場面で終わるのではなく、更に続きがありそうな感じがします。
ねずみは元・おばあさんをちゃんと説得できたのか?そもそもネズミが出て行ったら、「キャー!ねずみ〜!」と怖がられて話し合いどころではない状況になるのか?
更に先を読みたくなる物語は、本を閉じても楽しいものです。勝手にあれこれ話を作っております。
「おばけは、生まれたときも ひとり、死ぬときも ひとりじゃ」
年よりお化けのセリフですが、こんなカッコいいセリフを言うのに、着ぐるみを着たコントの人みたいな見た目がシュール。生まれても死んでも、どこか喜劇的。