読書感想文全国コンクール小学校高学年の部課題図書。
自然との共存について考えさせられるノンフィクションです。
世界遺産でもある青森県白神山地のマタギ(伝統的なクマ狩りをする人々)について
書かれてあります。
まずは、表紙と巻頭の、かわいらしい子グマの姿に惹き付けられます。
題名にもあるように、熊の湯旅館の吉川さんはクマを2頭飼っているのです。
立派なツキノワグマ。
なぜ、そうなったのかを読み進めるうちに、
吉川さんのマタギとしての生活、そして、さらに祖父までさかのぼって
マタギの伝統的な狩りの様子が描かれます。
たくさんの神聖な儀式をこなしていくことで、その精神が伝わってきます。
まさしく、自然との共存の姿があります。
クマ狩りを含めて、山の恵みをいただくことへの感謝の念。
その精神が脈々と代々伝えられているそうです。
いのちというものの根源について考えさせられます。
子どもたちにも様々なことを考えさせてくれるように思います。
クマのこともよくわかりました。
この本をきっかけに、椋鳩十さんの『月の輪ぐま』、シートン動物記等も読んでほしいですね。