おつかいの帰り道。
急に強くなった雨に、ルウ子は図書館で雨宿りをしなくてはならなくなります。ルウ子の心は、お母さんを独り占めしている体が弱くて小さな妹への嫌な気持ちでモヤモヤしています。
色々な人が本に没頭している、しんとした館内。本棚の間を歩いていたルウ子は、不思議なカタツムリに出会い…冒険の扉が開きます。
日常の隙間から入っていける不思議な世界が、甘く美しい言葉で綴られています。いつも降っている雨のせいなのか、物語全体が落ち着いていて、心地よくお話の世界に浸りました。(細かい描写に、音や匂いや味や、手触りまで伝わってくるようでした。)
冒険の顛末にも、納得。とても面白かったです。
吉田尚令さんの挿絵も素敵でした。
小学校中学年ぐらいから、文字の本をどんどん読みたくなっている子ども達にお勧めしたい、一冊でした。