うさぎの看護師さんは、たぬきのおばあちゃんを散歩に連れ出しました。
「あなたは、ほんとうに優しいね〜。」
と言われたうさぎさんは、うずくまって、泣き出しました。
うさぎさんには、忘れられない思い出があったのです。
「抱きしめておくれ。」という、おおかみさんの最後のお願いを、かなえてあげられなかったのは、ずっと心残りでした。
そのことで、気付いたことがあったのでしょう。今のうさぎさんの様子や気持ちで、おおかみさんはきっと許してくれているはずです。
おとなが読んで、納得できる内容で、私自身、母親を亡くした時、近所のおばさんに抱きしめられて、初めて思い切り泣くことができました。子どもたちには、少し難しいかもしれませんが、
だきしめるのは……愛している しるし。
だきしめられるのは、……愛されている しるし。
に、いつか気付く日が訪れるはずです。