自治会で高齢化への対応に頭を悩ませていたとき、出会ってしまった絵本です。高い建物が立ち並ぶ町に一軒だけ取り残されたような小さな家。窓から見えるのは、となりの建物の壁だけ。そこにはおばあさんと一匹の猫が肩を寄せ合ってひっそりと暮らしています。もちろん、昼間でも家の中に暖かい光は入ってきません。でも、ストーブの上にお鍋をのせて、スープをコトコト煮ていたら、なんと、幸運が舞い込んできました。現実をありのままに受け止めて誠実に生きていくチラさんとねこちゃんの姿が心にしみる絵本です。もちろん、ハッピーエンドで年中さんぐらいでもわかると思います。こういう本にたくさん出会って、優しい子どもに育ってほしいな。