グレーが基調の地味めの表紙絵ですが、タイトルに惹かれ読みました。
大きな町の高い建物に囲まれた小さな家に住むチラさんというおばあちゃんと、ねこちゃん。
窓がたくさんあっても、おひさまの入ってこない薄暗い家。
彼女らのかなわぬと思いながらも持っている夢は、美しいお外の見える家。
でも、二人の生活は互いをおもい、慎ましいながらも満ち足りているようです。
ストーブの上でスープを煮ていたある寒い日、窓をみると外が霧で何にも見えません。
おそとがなくなっても、チラさんは湯気で曇った窓に…。
スープの歌が素敵でした。
静かにゆっくりと時間が流れている、チラさんの家の様子が読んでいてこちらの気持ちも落ち着かせてくれます。
チラさんが描いた、理想のおそとの絵が可愛らしかった。
息子が幼い頃、わが家でも窓にお絵かきをしたことを思い出します。
ラストは、なんともいえぬ喜びをチラさんたちと分かち合えた気がしました。