一瞬本物かと思うくらいに精密な、彫刻を使った写真絵本です。
一人ぼっちのイグアナは、生まれてこの方友だちということを知りませんでした。
親もなく他の生き物も周りにいません。
だからイグアナは、寂しいなんて気持ちを知らなかったのです。
そんなところに、傷ついて飛べなくなったカモメが現れます。
イグアナはカモメを丁寧に看病し、次第にカモメは治っていきます。
イグアナとカモメの会話に深みを感じました。
イグアナは寂しいという感情を知らなかったのです。
知らないままのほうが良かったのかもしれませんね。
カモメは渡り鳥です。
カモメが飛び立って、イグアナは初めて孤独ということを知るのです。
人は、人とのつきあいにおいて、感情を育てるのだということを改めて感じました。
哲学的な絵本でもあります。