コウテイペンギンの子育てはとても熾烈で過酷なもの。
氷点下50度の氷の世界で、一年の同じ日の同じ時間に、ペンギンたちは一斉に海をとび出し、生まれたところを目指して歩き出す。そしてその地で結婚相手を探し、たまごを生む。生まれた卵をメスはオスにに渡し、えさを獲りに再び、海を目指して歩き出す。
卵を預かったオスは、冷たい氷から守るために足の上に卵を載せ、お腹の肉ですっぽり覆って、実に4か月もの間、飲まず食わずで、立ち続けるのだ!メスのペンギンが海から戻ってくる頃にはオスの体は半分になってしまう程。
コウテイペンギンの生態を知る科学絵本としては勿論、生き物の本能として持っている子どもへの愛というものが強く伝わってきます。
しかし、娘はまだあまり興味を示さず、一度読んで、本棚に立てたきり。いつか、自分で手に取って読むのでしょう。
いもとようこさんの絵は 可愛らしすぎて 書かれている内容そのものまでもが、過度に甘く、メルヘンチックになるように思われて ちょっと苦手に感じていたのですが、この作品は可愛いというより「美しい!」と思いました。 力強さも伝わってきました。
畳に仰向けに寝そべった夫が、持ち上げた脚の上に娘を腹ばいに載せて遊ばせています。
飛行機 飛行機! ぶーーーん、ぶーーーん。
嬉しそうにキャハハと笑う娘。
私も、父の脚の上に こうやって載せて遊んで貰うのがとても好きだったなぁ…。