またしても、ドン・フリーマンの新訳です。
と言っても初版は1959年になりますから、半世紀前の作品ということになります。
お話の主人公は、美術館の門ばんをしているねずみのノーマン。
でも、美術館と言っても、マジェスティック美術館の地下室にしまわれている作品を見せるために、裏手の秘密の抜け穴の門ばんをしているのです。
そのマジェスティック美術館で、彫刻コンテストが行われると知ったノーマンは、自分の作品を出品するのですが、それからの物語が素敵の一言です。
まさに夢に溢れたストーリーで、絵本ならではのもの。
エンディングも茶目っ気たっぷりで、気に入りました。
文章はとても長いのですが、絵がふんだんに挿入してあるので、飽きさせません。
そして、何と言ってもその絵が、とても優しいタッチと色合いで、見る者を暖かい気持ちにさせてくれます。
絵コンテとも言えそうなそのタッチは、とても味わい深いものです。
ドン・フリーマンならではの作品に拍手喝采です。