『ヒトラーと暮らした少年』を読んだので、前から気になっていたこちらの本も読みました。
オーストラリアに住む女の子 アンナが、ヒットラーに娘がいると仮定して創作した話を、毎朝、通学仲間のマークやベンに話します。マークはしだいに引き込まれ、もし自分がその立場だったら?と考え、両親にいろんな疑問を投げかけますがとりあってもらえません。アンナのお話と、通学仲間の日常生活とが、絡み合いながら物語は進行します。
物語とはいえ、小学生と思われるアンナがこの話を空想し思いつくのは、無理な設定では?と思いつつ読んでいたら、最後に「え、そういうこと?」という伏線が待ち受けていて、ある意味、もやもやが晴れました。また、深く戦争や平和について考えるマークと、ただ勇ましい戦闘場面に惹かれるベンとの対比が印象的でした。
各章の最初にある北見葉胡さんの挿絵もとても良かったです。