読んでると自分も寒い雪の中にいるような気持ちになります。はあはあ、って手に息を吹きかけたくなります。すうっと冷えてくる。
人間を怖がるお母さんきつねは、子供自ら手袋を買いに行かせるため、子供の手を人間の手に代えてしまう。そのときのおかあさんの気持ちを思うと、胸にぐっときます。どうか無事に帰ってきて、そう願わずにはいられません。
絵本でこんなにどきどきはらはらさせられる。
最後には、心がおだやかになります。そして、暖かい春がすごく待ち遠しくなります。寒い、静かな、しとしと降る雪の夜に、ストーブにあたりながら読んで欲しいです。