年老いたクジラと、若い飛行グモの友情のおはなし。
クジラは年老いているので、体中にフジツボがこびりついているのです。
そこへ、空からやってきたクモが島と間違えて巣を作り始めます。
南の島へ行く途中だったクジラは、訳を話して、クモを同伴して進みます。
クモは無事に島に着きますが、クジラにお礼の約束をするのです。
そして、数年後、その約束が実現します。
波のリズムのように、静かに話が進んでいきます。
シンプルな絵が、クジラとクモの会話を優しくイメージさせます。
本当に、純真な友情です。
ラストの幸せ感が素敵です。
悪者扱いされがちなクモですが、クモの巣の美しさに魅了されている方も
たくさんいますし、蚊などを食べてくれる益虫としても注目されていますから、
そんなクモの存在感も感じ取ってほしいですね。