大好きなウィリアム・スタイグさんの本だということで、迷うことなく購入しました。
おかあさんのために、おつかいをすることになったアイリーン、実際はおつかいなんてなまやさしいものじゃあありません。吹きすさぶ雪の中を必死に進むアイリーンに数々の試練が待ち受けています。本を読みながら、いつしかみんなアイリーンの応援団になっています。
どうしようとちょっと弱音をはいたり、気持ちを奮い立たせて立ち向かったり、心の葛藤を感じながらも、どうしてやることもできません。ただ、ただ、アイリーン、がんばれって言うことができるだけです。
子どもが一人で何かを成し遂げようとするとき、親はもしかしたらこのように無力で、はらはらしながら祈るばかりの存在なのかもしれません。でも子どもを勇気づけているのは、アイリーンにとって「大好きなおかあさん」であるように、自分を一番理解し、支えてくれる人の存在なんでしょう。
この本の一番最後の一文はそれをよく表していると思います。
果敢に挑んでおつかいを成し遂げたアイリーンのたくましさと、帰ってくるときに大人の間で眠っているアイリーンのあどけなさ、どちらもアイリーンで、いとおしくて、抱きしめたくなります。疲れて帰ってくる場所はやっぱりおかあさん!そんなおかあさんに、私もなりたいなぁ。