クリスマスを誰と過ごします?
家族。友人、恋人、人それぞれですが、やはり一番大好きな人と過ごしたいものです。
そんな思いがつまった絵本が、この作品です。
アメリカの絵本作家ホリー・ホビーの人気シリーズ「トゥートとパドル」のクリスマスバージョン。
主人公の「トゥートとパドル」は、性格はまったく違うのに大の仲良しという、子ぶたの名前です。
スコットランドに住むひいおばあさんの妹のおばあさんの100歳の誕生日に出ていたトゥートはクリスマスまでにパドルの住む村に戻るつもり。
おばあさんの家を出る時に、「しあわせのくるみの実」をひとつもらいます。
ところが、大吹雪にあってしまって、なかなかアメリカに戻れません。
一方、クリスマスに戻るというトゥートからの手紙を受け取ったパドルは、大忙し。
皆さんにも経験あるでしょ。
クリスマスにはツリーを飾ったり、おいしい料理をこしらえたりしないといけないのですから。
でも、でも。
ウッドコック・ポケットの家まではまだまだうんとあるのに、トゥートは大雪に阻まれてしまいます。
とうとうトゥートは大きな木の根元にうずくまってしまいます。まわりはまっ白な雪ばかり。
大丈夫かな? トゥートは。
その時、トゥートはおばあさんからもらった「しあわせのくるみの実」のことを思い出します。
すると、どうでししょう。
暗い雪の中に明かりが見えます。すずの音も聞こえます。
大きなソリがトゥートに近づいてきるではありませんか。
雪明りで明るいウッドコック・ポケットの家の前で、パドルはトゥートのためにせっせと雪かきをしています。
遅いけれど、クリスマスには戻るって約束したのですもの。
そこに、ソリに乗せられてトゥートが帰ってきます。
これで、大の仲良しの二匹の子ぶたはいっしょにクリスマスを迎えることができます。
でも、トゥートを乗せてくれたソリの主は誰だったのでしょう。
もちろん、あの人。
クリスマスに子どもたちに読んであげれば、きっとその人の名前を叫ぶにちがいありません。
もし、ひとりぽっちのクリスマスでも、きっと心が温まる、そんな絵本です。