ゾウの声は、クジラに聞こえて人間には解らないのですね。
最後の一頭になったメスゾウが、海に呼びかけてやってきたのはクジラでした。
ゾウは、最後の一頭として自分たちの歴史を語ったに違いありません。
人間に撃ち殺されて減っていった過去もありました。
絵本に直接には描かれていませんが、絶滅危惧種として保護された時代もあったでしょう。
しかしゾウの種族を維持できるほど、環境は優しくはなかったのです。
ゾウが伝えたかったのは怒りでしょうか。
自分にはそうは思えません。
運命を享受するだけではなかったでしょうか。
それにしても、伝えずにはいられないものを、ゾウは持っていました。
やっと伝えることができて、ゾウは感謝しながら死んでいきます。
絶滅していく動物たちの原因を作っているのは、直接的であれ間接的であれ人間であることは間違いないでしょう。
考えさせられました。