登場人物がみんないい奴です。
心優しく面倒見がいい五助じいさん、不器用なコンコン、少しずる賢いところもあるキツネの大将…。
実社会にもいますよね、こういったタイプ。
キツネの大将が「化けるときには必ず偉いさんに化けなければいかん。」って。
それが県庁にお勤めの人ですって。
いなり寿司の店の人は、県庁の偉いお方5人にびっくりして、大急ぎでいなり寿司をおだしします。
1人はシッポが出ているというのに、それにも気づかず権力に従ってしまうんです。
うむを言わせず、すごい大金でコンコンの湯タンポをお買い上げになるご隠居さまも、ある意味権力を行使したわけですが、コンコンが幸せに暮らせるならまあ、めでたしだと思います。
その後の5匹のキツネの様子というオチも面白くて、とても微笑ましい読後感でした。