小学校のおはなし会で読みました。
昔話再話の第一人者の稲田和子さんによる重厚な文章、
重鎮の赤羽末吉さんの描く昔話の世界、
子どもたちがグイグイ引きこまれて聞き入っていました。
欲張り男が、山仕事に言った時に、「よく働き、飯を食わない女房がほしい」と言うと、
なんとその通りの娘が現れたのです。
ところが、米俵の減りの早さに気付いた欲張り男が、こっそり見張っていると、
女房は、頭髪の中に大口のある鬼婆だったのです。
かくして正体を見られた女房は、欲張り男を食ってやる、とばかりに、
山の棲み家へ欲張り男を連れ去るのです。
この、欲張り男の脱出作が絶妙です。
鬼婆の弱点が、菖蒲とヨモギ、というのは、すごい展開です。
やはり、薫風の菖蒲とヨモギの季節に読んであげたいですね。