「り」の音だけの作品です。
五味太郎さんの音と文字の絵本シリーズの中では、なぜか「・」がついているという曲者。
しかも、その音の正体ははっきりと描かれていないのです。
り・り・り・り・り
読み手はその時の感性で読むしかありませんね。
そして、その音を頼りに、さあ、耳を澄ませてみましょう。
目に入るのはいずれも夜の光景。
虫の声?電話の音?機械音?金属音?時計の音?
目と耳と、頭の中のイメージがフル回転です。
四次元の世界に迷い込んだような気がしました。
音を楽しむなら赤ちゃんからでも素朴に遊べると思います。
でも、案外、大人の方が、自ら持ち合わせた記憶を総動員して、
不思議な世界を体感できそうな気がしました。