男の子なら大抵誰もが一度は持ったことのある夢。それが正義のヒーローではないでしょうか?
この本の少年もそう。おもちゃ屋さんで目にした光線銃が欲しくて、お母さんにせがみますが、返事はノー。
そこで買い物カゴのバナナを1本、拝借。
まずはすりよってきたネコに「ビービー」。ネコは音もなく忍び寄る妖怪。お次は犬。あばれまわる怪獣に「ビビー」。
大失敗だったのは、側でたばこを吸っていたおじさん「雷をあやつる怪人」に向かって、「ビビー」。
「おまえはしんだ」
「しつれいなこぞうだ」ポカン!と、殴られます。
ここが笑えるんだなア。
最後にやってきたのは、実のお兄さん「二イチャせいじん」普段家ではやられてばかり、でも、今日のぼくはスーパーヒーロー。「ビビビー」
やっつけたつもりがバカにされ、バナナまで取られてしまいます。
主人公はお兄ちゃんを追いかけますが、途中からただの追いかけっこに早変わり。
兄弟って、本当にそう。ケンカしていたかと思うと、突然楽しそうに遊び始めたり追いかけっこを始めたり、その又逆も多いですよね。
いとう氏の作品はこの手の描写がとっても上手いんです。
他に、絵本ではないのですが、低学年向けの児童書もたくさんでています。特にお薦めなのが「ごきげんなすてご」という本。興味のある方はぜひ、読んでみて下さい。