この『トウモロコシのおもいで』という絵本の作者名をみて、
どこの国の絵本か、わかったでしょうか。
早秋丸。すべて漢字の、早秋と丸の間にすこしスペースがあるから、姓と名?
日本の絵本? でも、作家の小川糸さんが訳とあるから、日本ではないな。
だとしたら・・・、そう、この絵本は中国の絵本です。
早丸 秋はザオチウ ワンと読みます。
この絵本が絵本デビュー作となるそうです。
中国の、これは田舎のお話。
一面みどり色の田んぼや畑ばかりのところで、
おばあちゃんとその孫娘の、楽しいトウモロコシとりの思い出。
虫を見つけたり、トウモロコシの葉で腕が傷ついたり、
おばあちゃんがトウモロコシをもぎとる音がしたり、
おんなの子には忘れられないことばかり。
でも、おばあちゃんは年をとって、どんどん忘れることが増えています。
あの日、先を行くおばあちゃんがおんなの子を振り返って、
「あなたのことを、わすれたりするものですか」と、言ってくれたのに。
どこの国の人であっても、誰もが年老いて、美しい思い出さえも忘れていくことがあります。
でも、その人のことを覚えていてくれる人がいるかぎり、
その人と過ごした美しい思い出は消えません。
国は違えども、人のそんな思いは違わないのでしょう。
中国の、美しい絵本にそんなことを教えてもらいました。