長野さんの絵は、たいこさんシリーズから入り、ほのぼの可愛らしくてすごく好きな絵です。
主人公の“あーちゃん”がみんなに書くありがとうカードはどれも、短くて、シンプルで、素直で、時にぶっきらぼうな言葉で書かれていて、一番の仲良しの“あき”にも「あばれんぼう あき」と…。
それらの言葉は、一見‘天真爛漫な主人公’という印象を読者に与えますが、何回も読み返していくうちに、違う視点が生まれてくるのは僕だけでしょうか?
それは、本当は別れが辛くて、寂しくて、泣いてしまいたい気持ちをみんなに悟られたくなくて、照れ隠しのような気持ちであーちゃんはああいう言葉を選んで書いたのではないか、という考え方です。
そして、そういう明るい言葉のカードなら、一人一人に読んで渡すときにも笑顔で渡せる…
実際には、あーちゃんが涙を見せたり、寂しそうな表情をしている場面は出てこないので、僕の考えすぎかもしれませんが、もしその想像の通りだったとしたら、なんとあーちゃんは心の優しい子なのだろう、と感動してしまいます。
子どもは大人の考えてる以上によく考えているし、いろんなことをちゃんと分かっているんだよなぁということを思い出させてくれる一冊です!