亡くなった父親の残した宝の地図を頼りに、冒険家の娘とゾロリ一家が宝探しをする冒険物語。
2005年刊行。冒険家が宝探しをする&海賊&マッドサイエンティスト&股旅もの&美人のお姉さん&村を救う勇者の物語…など、ヒット作品の王道テーマを全部つっこんで、原ゆたか氏特性スパイスでお味を調えた意欲作。
美味しいところが盛りだくさんで、欲望満載な登場人物たちが、それぞれの願望を達成するために画策する。スリルがあり、テンポよくどんどん話が進む。
妙なところがリアルに切実なのも、本書の魅力。
厳しい暮らしをしている村で、特産の芋は大盤振る舞いしてもらえるのに、水は1杯 5000円。水が貴重であることが、値段からしみじみとわかる。村人たちは大丈夫なのか?
極端な設定で面白い。かなり深刻で笑っていいところなのか迷ったが。
話が大盛り上がりになって、いきなり終わるので、
次回作(後編)を求めずにいられない。
やっぱり売れている作品は違うなあ。