この絵本『フーセンガムの大冒険』は、一風変わったユーモアが詰まった作品です。主人公の男の子がガムを噛むシンプルな行為が、予想もつかない大騒動へと発展します。クチャクチャとガムを噛んでいるうちに、プーと膨らませた風船ガムが不思議な変形を遂げ、やがてネコの顔になってしまうという奇想天外な展開。さらにそのネコが男の子を吸い込んでしまうという、読めば読むほど奥深い驚きが待ち受けています。
子どもたちはこのシュールなストーリーに夢中になり、読み聞かせではその予測不可能な展開に釘付けになるでしょう。特に、シンプルながらも絶妙なタイミングで描かれるイラストは、子どもたちだけでなく大人にも思わず笑いを誘います。
絵本を読むことは、日常を忘れさせてくれる一種の魔法ですが、『フーセンガムの大冒険』はその魔法を一層強力にして、読者を不条理でユーモラスな世界へといざないます。入園前の子どもから小学校高学年の子どもまで、幅広い年齢層が楽しめる内容で、読み聞かせの導入部としても最適です。言葉の響きとイラストのコンビネーションが生み出す、予想外の楽しさを是非体験してください。