電車がホームに入ってきて、男の子が電車に乗り込み、次の駅に到着して降りるまで、が全て擬音で表現されています。車窓からの風景も美しく、電車に乗ったような気分になれる本です。
ネットで中を確認しないで買ったのですが、最初、一般的には「ガタンゴトン」で表現されることの多い電車の音が、独特の表現になっていて、どう読むか悩みました。「タタットトーン」とかはいいとして、「ツタツタカカン トテテコカッカ…」とかは分からなくてググったほどです笑(結局、未だ模索中。)
電車好きの息子は大喜びで、しょっちゅう読んで欲しがって持ってきます。
一方、私は読み方に自信が持てず、得意ではない本でした。
ところがある日、他の本のコラムで、作者の三宮麻由子さんが盲目だと知りました。
びっくりして「でんしゃはうたう」の作者紹介を見ましたが、そんなことはどこにも書いてありません。
コラムは、三宮さんが幼稚園を訪れる内容だったのですが、先入観を持たれたくないので自己紹介で目が見えないことは黙っていた、とあったので、同じ理由で書いてないのかもしれません。
三宮麻由子さんが届けようとした豊かな音の世界を、はじめて理解し、泣きそうになりました。
もっとも、子どもにはとっくに届いていて、正しい読み方にこだわって苦心している私をよそに、美しい絵と音を満喫しています。
電車に乗る時、音に注意して、自分なりの音(でんしゃのうた)を探すのも楽しいです。
今では私にとっても大好きな一冊です。
是非おすすめしたいです。