「美しい数学シリーズ」の中の1冊。
数学と聞いただけで、拒否反応を起こしてしまうほどの数学嫌いの私には、たとえ安野さんの呪文にかかっても、数学が「美しい」とは考えられないけれど、表紙の青い陶器は、純粋に美しい!!
この美しい青い壺の中に、海があり、海には島が2つ、島には2つの国・・・。
数学を離れ、いつのまにかメルヘンの世界へと引き込まれていく感じがします。
まさに「旅の絵本」の世界ですね。
安野さんの絵本は、レンガの1つ1つ、葉の1枚1枚に至るまで、
本当に隅から隅まで楽しめます。
娘も、「お姫さま、ウエディングドレス着てる!」「この犬、うちの○○みたいだね」と、細部の描写に見惚れたり、「ママは、どのおうちはいい?」と言って、2人で好みの家を選んだり、次ページの部屋の雰囲気やドアの形から、それがどの家の中なのかを当てたりしながら、数よりもまずは絵を楽しみました。
そして、最後に、箱の中から10個の壺が現れたとき、改めて、今まで見てきたそれぞれの風景や、細々とした日用品もすべて、壺の中に存在する世界なんだと実感し、心の中に大きな宇宙が広がったような感覚を覚えます。
娘も感嘆のため息!
それから、思い出したように、引き出しの中から小さな小さなおもちゃの陶器を取り出してきました。アンティークのおもちゃのようなティーセットで、青い壺と同じ形をした陶器も、2cmほどの大きさです。
それを手のひらに載せて、壺の中の世界を想像すると、本当に不思議の国へと吸い込まれていきそうな気がしました。
高学年になっても、大人になっても、楽しめる絵本って、まだまだたくさんあるんですね。
翌日、娘は、数学大好きのパパに、英語に訳して読んであげていました。
パパも、夢中になって聞いていましたよ!