百本のロウソクを用意し、怖い話を一つするたびにロウソクを一本ずつ消していく。
最後のロウソクが消えたとき、そこには・・・・
そんな百物語の雰囲気がただよう、怪談レストランシリーズのひとつがこの本です。
不気味な話、怖い話、不思議な話がたくさん収録されています。
印象に残ったのは「かあさんからの電話」と「赤いオーバーの少女」という作品。
前者は亡くなった母さんから電話がかかってくるという話で、後者は亡くなった娘が母のために医者を呼びに行くと言う話。
どちらも亡くなった人間が生きている人に働きかけるという点では同じです。
でも「かあさんからの電話」は生きている人を死に追いやる怖さ、「赤いオーバーの少女」は生きている人を死から救い出す感動を覚えます。
どちらが面白いかは人それぞれですが、やっぱり後者の方が怖い中にも人間の愛情が感じられ、心地よい気分になれます。