名古屋名物のお菓子『ういろう』かと思ったら、飲むと口が回りだしてとまらなくなる丸薬『ういろう』のお話でした。
『ういろう』を売るために、早口言葉をどんどん言っていく、外郎売の口上が、長野ヒデ子さんの絵とともに、書かれています。
改めて、声に出してみると、なかなか難しく、また、早口言葉には、音の楽しさも含まれているので、はやく言えるように挑戦しながら、もうひとつの楽しさも味わうことができます。
また『外郎売』は歌舞伎十八番のひとつでもあるそうです。
かなり長い口上なので、ただ読み上げるだけでは理解できない内容も、絵を見ながら読むことで、その意味もわかりやすく伝わってきます。
一冊の絵本で、お話を楽しみながら、日本独特の文化にも触れることのできる、なかなかの傑作だと思います。
巻末にはわかりやすい解説も添えられています。