おかんと、一日中くっ付いて歩く(我が家も似たような)息子とのやり取りを描いた作品です。
関西弁はなんかええなぁ、関西の“おかん”は味があるし、漫才みたいな家族でええなぁと少し憧れにも似た気持ちにもなりますが、、昼ごはん食べたばっかりなのに「晩ごはんはなに?」と聞く抜けた感じの息子に、のっけから笑わされっ放しです。くっ付いて歩く息子の、純朴なくだらない質問に対してもいちいち答えてあげる“おかん”は、突き放しているようにも見えますが、それも愛情の裏がえしなんでしょうね。乗りツッコミを繰り出した時は、根っからの関西人だと思いましたが、よく見ると冷蔵庫に納豆があったり、“たかなし”と書いた豆腐が出てきてピーンと来ました。(以前横浜の友人宅で食べた“たかなし”ヨーグルトに感動した僕。)作者はひょっとして関東の人では?ピンポーン!!!神奈川在住とありました。でもなんで関西弁のお話しなのと疑問符が浮かびます。やはり“ママ”では味が出せないんだろうなと勝手に納得してしまいました。この作品を作るにあたっては、ネイティブ関西人の指導を受けたとありますから、かなり苦労して作り上げたのでしょうが、よくここまで関西にありそうな家族を描けたもんだと感心しました。
また、細かい描き込みもあって楽しめました。冷蔵庫に貼ってあるお買い物メモ。始めはビールが3本て書いてあったのに、後から訂正されて2本になっているあたり、“おとん”の立場の弱さが垣間見まれた感じがします。切ないけど、とても現実的で、平田さんの実体験に基づいた描写かと思ってしまいました。
この絵本は息子と一緒に読みました。自分と同じ年頃の男の子なのに、はちゃめちゃな質問やノー天気な言動を繰り返す様子にずっと大笑いしていました。二人とも気に入って、もっともっと平田作品を読みたくなりました。まずはシリーズの1作目「おとん」ですね。